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新月の夜が、苦手だ。

2013-12-21

新月の夜が、苦手だ。
夜というだけで感情が悪循環しかしないのに、月の光がない夜は、闇が増幅したようで、怖くて寂しくて仕方なくなる。
こんな時、素直に「寂しい」と「心細い」と泣きつくことができればいいのに、高い矜持のためか、はたまたそんなことを許されなかった教えの為か、誰かに甘えたことがない。
だから、ではないけれど、誰かに素直に甘えることのできる人間が、妬ましくて、羨ましい。
私だって素直に甘えたいし、抱き締めて欲しい。頭を撫でて欲しいし、甘やかして欲しい。
しかし、三つ子の魂百までとは良く言ったもので、しっかりしなければと、一人で生きていけるようにならなければと、刷り込まれて育った私にとっては、物凄く難しくて。
自分を晒すのが怖いのではない。
普段の自分が自他共に「しっかりしている」と認識されている分、「こんな人間だと思わなかった」と引かれることが、怖い。
拒絶されることが怖くて堪らない。
強くて、一人で生きていける私を必要としてくれる人達は、「弱い私」を望んでなんていないのだ。
守ってきた立ち位置を失うことが怖いから、だから私は一人、真っ暗な部屋の中、毛布を被って闇に耐える。
SOS信号なんて、発してやらない。
この孤独も、虚無も、寂寞も、私のもの。私だけの感情。

そうして私は今日も、助けて、と云える機会を失うのだ。
本当は、誰かに甘えたくて泣きつきたくて仕方ない自分を、滑稽なほど必死になって抑え込みながら。

サムネイル 写真素材 足成 様
http://www.ashinari.com/

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