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その人は、義悪的な人だった。

2014年6月5日
顔が異常に綺麗なその人は、義悪的な人だった。
ずるいな、って思うのは気付けば彼の手中に落ちているということ。
彼は決して、してやったり、みたいな顔を見せないし、悪ぶってみせるということをしないからタチが悪い。
綺麗な顔に、綺麗な微笑を浮かべたまま、他人に突かれて一番痛いところを、せめてくる。
攻めて、責めるのだ。
なまじ正論だから論破なんか出来ない。
反論を吠えれば、負け犬の気分になる。
彼は言い訳することなく、悪口も雑言も甘んじて受けるのだから、なおのこと、タチが悪い。
いつしか彼には立ち向かうなという風潮が生まれた。
その前に回避しろと。
根本的な解決になんてなってないのに。
「臭いものに蓋をされてもね」
と、彼はいつだか、綺麗な顔で笑っていた。
その響きは諦めに似ていて。
ああ、かつて、欲しいときに欲しいコトバをくれていた彼には、もう二度と逢えないんだと、私はほんの少しだけ泣いた。

サムネイル 写真素材 足成 様 http://www.ashinari.com/

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